「予防歯科」と聞いたとき、患者様にその内容が伝わりにくく、「歯医者さんで歯科検診を受けて、家ではしっかり歯磨きをする」と漠然としたイメージしかないことを、当院は以前から懸念しておりました。
大切なものであるはずなのに、イメージしにくいなんて。。。
それでは、世の中の患者様の意識を変えることなど到底できません。
当院では、予防歯科の重要性を分かりやすい形でご提示し、一人でも多くの患者様に実践していただくため、予防歯科をコンセプトにした歯科医院として診療しております。
そしてその一環として、予防歯科における重要な検査をパッケージングした「歯科ドック」を行っております。

健康への意識が高まりつつある近年、ようやく予防歯科の重要性が理解され始めていますが、歯科医院を「痛くなってから行くもの」と捉えている方もいらっしゃいますので、未だ十分とは言えません。
歯の治療が苦手な方、歯医者そのものが恐いという方にこそ予防歯科に取り組んでいただき、リスクを軽減しておくべきです。
虫歯は、ごく初期のものであれば削らずに治療することができます。また、静かに症状なく進行する歯周病は、「痛くなってから行く」という意識では、受診したときにはもう抜歯以外に手がない、という状況にも陥りかねません。
削った歯、失った歯は、どれだけ最先端の技術、良質な材料を使っても、元通りにはなりません。そして、審美面においても、機能面においても天然歯に勝るものはありません。それほど、天然歯は優れた美しさと機能性を持っているということです。
虫歯や歯周病を100％防ぐ方法はありません。しかし、その確率を高めていくことは可能です。大切な天然歯を健康に、長く守るためには、予防歯科は欠かせないものと当院は考えます。

虫歯治療や歯周病治療と同様、予防歯科においても、ご自宅でのセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアの両立が重要です。

セルフケア

歯磨き

もっとも基本的なセルフケアです。前歯の裏、奥歯の裏、歯と歯ぐきの境目、乱れた歯列の周辺などは磨き残しが多くなりがちです。
歯科衛生士から指導を受け、患者様にとってベストな歯磨き方法を身につけましょう。

歯間ブラシ

歯と歯の間の汚れは、普通の歯ブラシでの除去は困難です。歯間ブラシを使いましょう。使う場所によって、デンタルフロスと使い分けることが大切です。

舌ブラシ

舌に付着した細菌を除去するためには、舌ブラシが効果的です。ただし、舌が傷つくおそれもありますので、１日１度を限度としてください。

デンタルフロス

歯と歯の間の汚れを取り除くデンタルフロスは、狭い歯間も楽に掃除できます。ただし、フロスを動かす際には、歯肉を傷めないように注意しましょう。

デンタルリンス

就寝中は、唾液の分泌量が減少し、細菌が繁殖しやすい時間帯です。寝る前や歯磨きの仕上げに、デンタルリンスを活用しましょう。

キシリトール

主にガムなどに使われているキシリトールは、虫歯の予防効果があることが証明されています。また、ガムを噛むことで唾液の分泌量が増え、細菌の繁殖を抑えられます。

プロフェッショナルケア

ブラッシング指導

ブラッシングには、必ずその方の「癖」があります。毎日、意識しないまま磨いていたのでは、どうしても磨き残し、磨きすぎが起こります。
歯科医院で、お口に合った磨き方、お口に合った歯ブラシの選び方のアドバイスを受けましょう。

PMTC

Professional Mechanical Tooth Cleaningの頭文字を取っています。歯の専門家による歯面清掃です。特殊な器具を用い、通常のブラッシングでは除去しきれない汚れ・プラーク・歯石を取り除きます。歯面はつるつるになり、汚れやプラークが付着しにくくなります。

スケーリング

特殊な器具を使用し、歯石を取り除きます。歯石は汚れやプラークが付着しやすいため、スケーリングを受けることで虫歯・歯周病を予防できます。

フッ素塗布

歯質を強化し、再石灰化を促すフッ素を、歯に直接塗布することで、虫歯を予防できます。
フッ素塗布は、１歳のお子様から受けていただけます。

シーラント

虫歯リスクの高い歯の溝を、予めレジンでコーティングし、虫歯を予防します。